鹿児島2泊3日の旅で、ぜひ立ち寄っておきたかった場所のスポットのひとつが、鹿児島市金生町にある「明石屋本店」です。
目的は二つ。
- ひとつは、鹿児島を代表する銘菓「軽羹(かるかん)」の元祖を味わうこと。
- そしてもうひとつが、旅先で少しずつ集めている「御菓印」を手に入れること。
でした。
御菓印をきっかけに老舗和菓子店を訪ね、その土地のお菓子を実際に味わってみるのが最近の旅の楽しみになっています。

鹿児島の中心地にある明石屋本店
明石屋本店があるのは鹿児島市金生町。百貨店 山形屋のすぐ近くという、まさに鹿児島市の中心部です。
中心市街地にある本店は、老舗らしい落ち着きを感じる立派な店構え。中に入ると、和菓子店というより百貨店の売り場を思わせるような、品のある洗練された空間が広がっていました。

明石屋の歴史は、薩摩藩主・島津斉彬公が、江戸で菓子作りをしていた播州明石出身の菓子職人・八島六兵衛を鹿児島へ招いたことにつながります。六兵衛は鹿児島で「明石屋」と号し、薩摩の山芋が良質なことに着目。薩摩の米と組み合わせながら研究を重ね、明石屋の「軽羹(かるかん)」を作り上げたとされています。
現在まで7代にわたって受け継がれているそうで、お店そのものを訪れるだけでも「鹿児島で長く愛され続けている老舗 和菓子屋さんなんだな」と、刻まれた歴史を感じられました。
自然薯・米粉・砂糖から生まれる軽羹
軽羹というお菓子自体は以前から知っていましたし、おそらく過去にも食べたことがあります。
ただ、今回あらためて明石屋の軽羹をじっくり味わってみると、「こんなに独特な和菓子だったんだ」と印象が変わりました。



明石屋の軽羹に使われているのは、砂糖・米粉・自然薯。とてもシンプルな材料です。
見た目は真っ白で、どこか蒸しパンのようにも見えます。ところが口に入れてみると、ただ「ふわふわ」しているだけではありません。ふっくらとしながら、しっとり。噛むともっちりとしていて、少しねっとりとした独特の弾力があります。
自然薯と米粉が合わさることで生まれるのでしょうか。派手な甘さではなく、噛んでいるうちにじんわりと素朴な甘みが広がってきます。個人的には、お茶やコーヒーと合わせなくても、そのまま軽羹だけをじっくり味わうのがオススメの食べ方だと思います。
一口ずつ、そのままゆっくり噛んで味わいたくなる。
何か強い味が主張するわけではないのに、不思議と気持ちが落ち着く。そんなやさしい和菓子です。
イセヒヨ素朴でついつい、もう一個と手に取ってしまう。伊勢名物でいうと絲印煎餅に通ずるものがあります。
明石屋本店で18枚目の御菓印を入手しました
そして今回、もうひとつの目的だった「御菓印」も無事に手に入れることができました。
御菓印は、全国の老舗和菓子店などを巡りながら集められる、お菓子屋さん版の御朱印のようなものです。

明石屋の御菓印には、長く受け継がれてきたお店の歴史を感じられる意匠が取り入れられています。
全国銘菓の御菓印を集め始めて、今回で18枚目。20枚という次の大台も見えてきました。こうして旅先を訪れる目的がひとつ増えるのも、御菓印集めの魅力ですね。
郷土菓子から土地の歴史を知る
旅先で和菓子屋さんの本店を訪ねるのが面白いのは、お菓子だけで終わらないところです。
- なぜ、この土地でこのお菓子が生まれたのか。
- どんな材料が使われ、誰が作り、どのように受け継がれてきたのか。
軽羹の場合なら、良質な山芋が育つ薩摩の風土があり、島津家がいて、八島六兵衛という菓子職人がいました。一口のお菓子の後ろ側に、その土地の歴史が重なっています。

軽羹は決して派手な和菓子ではありません。
けれど、しっとり、もっちりとした白い生地をゆっくり噛んでいると、長く鹿児島で愛されてきた理由が少し分かるような気がしました。
鹿児島を訪れるなら、ぜひ一度味わってほしい郷土菓子です。そして時間があれば、明石屋本店まで足を運んでみてください。お菓子を買うだけでなく、その背景にある薩摩の歴史まで知ることで、軽羹の一口がもう少し味わい深いものになると思います。
明石屋本店 店舗情報

| 店舗名 | 明石屋 本店 |
|---|---|
| 住所 | 〒892-0828 鹿児島県鹿児島市金生町4-16 |
| 電話番号 | 099-226-0431 |
| 営業時間 | 9:00〜18:00 |
| 駐車場 | なし |
| 公式サイト | 御菓子司 明石屋 公式サイト |
| 御菓印 | 全国銘菓 御菓印公式ページ |
| 公式Instagram | @akashiya_1854 |


