とらや赤坂店を訪ねて|和菓子と建築がつくる、余白のひととき

2025年12月。翌日の東京での仕事を理由に、1日早く上京して東京観光を楽しんできました。最初に向かったのは、赤坂にある「とらや 赤坂店」です。最寄りは赤坂駅、もしくは赤坂見附駅。私は赤坂見附駅から青山通り沿いを進み、徒歩6分ほどで「とらや 赤坂店」に到着しました。

目次

「とらや赤坂店の御菓印」を手に入れたい ― 本店を訪ねる理由

今回の一番の目的は「御菓印(ごかいん)」です。全国の和菓子店が本店限定で用意している、和菓子版の御朱印のような存在。お店ごとの個性が表れており、「その場所を訪れた証」として手元に残るのが魅力です。

三重県の和菓子屋さんとのご縁をきっかけに集め始め、まずは三重県を制覇。そこから少しずつ全国へと広げています。東京については、とらや赤坂店以外の御菓印はすでに集め終えており、満を持してとらや赤坂店の暖簾をくぐりました。

とらやの歴史と、赤坂に本店がある意味

とらやの発祥は京都。しかし赤坂店もまた、「本店(本社機能)」として位置づけられています。明治維新後、天皇の東京遷都にともない、とらやは京都の店を残したまま東京へ進出。1879年に赤坂の地に店を構え、1964年に現在の場所へ移転しました。

長い歴史の中で、朝廷や天皇に御用菓子を納めてきたとらや。時代とともに歩んできた軌跡が、京都と東京、二つの本店という形に表れているのだと知り、赤坂を訪れる意味がより深まったように感じました。

建築そのものが体験になる赤坂店

赤坂店に到着して、まず目を引くのは建物の存在感です。

周囲の高層ビルとは対照的な低層建築で、落ち着いた佇まい。設計は建築家・内藤廣さん。三重県では「鳥羽市立海の博物館」を手がけた方でもあり、どこか親しみのある雰囲気を感じました。

鳥羽市立海の博物館

海女や漁、木造船など海に関する約6万点(うち6,879点が国指定重要有形民俗文化財)の民俗資料を所蔵・展示する博物館。伊勢志摩国立公園内に位置し、内藤廣氏による建築は日本建築学会賞にも選ばれています。

吉野檜をふんだんに使い、全面ガラス張りの開放的な空間。階段や壁、屋根に至るまで、素材の良さが静かに伝わってきます。建築そのものを味わうために訪れても、十分に価値のある場所だと感じました。

地下ギャラリーで知る、江戸時代の菓子文化

案内に従い、まずは地下の「とらや赤坂ギャラリー」へ。訪問時は「秋冬 とらやトリビア 江戸時代編」が開催されていました。

展示では、江戸時代に天皇や朝廷へ献上された菓子の記録が紹介されており、老舗だからこそ残されてきた貴重な文献の数々に圧倒されます。中でも印象的だったのは、当時「麺類」が菓子の一種とされていたという話。うどんや麺が菓子屋で作られ、とらやにもその記録が残っているそうです。

伊勢志摩の伊勢うどんや餅文化を思い浮かべると、江戸時代の食文化と伊勢の風土が、どこかでつながっているようにも感じられました。思いがけない発見のある、印象深い時間でした。

羊羹とともに過ごす、静かな東京赤坂の時間

2階の売り場では、干支パッケージの羊羹を購入。「夜の梅」「新緑」「おもかげ」という、とらやを代表する味が揃った詰め合わせです。

目的の御菓印も、無事にいただくことができました。ちなみに、とらや赤坂店では御菓印は購入制ではなく贈呈されます。とはいえ、御菓印コレクターなら、本店に来たからにはお土産を選び、虎屋菓寮で一服してしまうはずです。

後日、購入した羊羹をいただいてみると、しっかりとした弾力と濃厚さの中に、なめらかな口当たりが広がります。特別な場面に選ばれてきた理由が、自然と伝わってくる味わいでした。

そのまま3階の虎屋菓寮へ。ガラス越しに東京の街を眺めながら、期間限定の羊羹と冷たい抹茶をいただきます。周囲のお客さんも静かに過ごしていて、慌ただしい東京の真ん中に、確かな「余白」が流れていました。

赤坂観光の中にある、もうひとつの目的地

とらや赤坂店は、和菓子を味わい購入する場所であり、建築を眺め、歴史に触れ、静かな時間を過ごせる場所でもあります。ギャラリーもあり、食事や喫茶も楽しめる、奥行きのある赤坂の名スポットです。

赤坂を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてほしい場所。そして、御菓印を集めている方にとっては、目指すべき名店です。羊羹とともに持ち帰ったのは、和菓子がもつやさしい余韻でした。また、ふと訪れたくなる。そんな場所です。

とらや赤坂店|店舗情報

店舗名 とらや 赤坂店(直営店)
住所 〒107-0052 東京都港区赤坂4-9-22
電話番号 03-3408-2331
配送注文 ご注文承りセンター:0120-45-4121(フリーダイヤル)
お問い合わせ お客様相談センター:0120-45-2002(フリーダイヤル)
営業時間 平日:9:00〜18:00
土日祝:9:30〜18:00
休業日 毎月6日(※12月を除く)
備考 全フロアバリアフリー対応
アクセス 東京メトロ丸の内線・銀座線「赤坂見附」駅 A出口より徒歩7分
駐車場 9台あり
※正月・大型連休・夏休み期間は混雑するため、公共交通機関の利用がおすすめです
虎屋菓寮(喫茶) 営業時間:11:00〜17:30(L.O. 17:00)
ランチタイム:11:00〜14:00
※混雑状況によりラストオーダーが早まる場合あり
虎屋菓寮 休業日 毎月6日(※12月を除く)
公式サイト https://www.toraya-group.co.jp/shops/shop-5

本記事は、取材や体験に基づいた一次情報をもとに、AIツールを活用して構成案を作成し、筆者が内容を編集・レイアウト調整しています。最終的には人の目で確認のうえで公開しています。

 

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