志摩市の海辺にある「うみらぼ」をご存知でしょうか?
最近、志摩市でマリンテックという先端技術の話題がよく出るのも、実は「うみらぼ」の存在が大きいのです。
「うみらぼ」はかつて真珠養殖場として使われていた建物を、集ったヒトの力で再生し、新しい拠点に生まれ変わらせているプロジェクトです。美しい英虞湾の傍らでただ廃れていく場所を、仲間とともに再生し、未来につなげていく。そんな挑戦に惹かれて、今回「うみらぼ2棟目」整備イベントに参加してきました。
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ここは氷山の一角 現実を知って手を動かす必要性


現場に着いて最初に目にしたのは、網やロープ、カゴ、そして無数の浮き玉(プラスチック製のビン玉)。外から見えていた以上に、敷地の奥からどんどん現れる道具の山に圧倒されました。



廃業した養殖場を片付けるだけで、費用は数千万円以上かかるそうです。大変。




私たち参加者は、草を刈り、ロープをほどき、浮きを切り離し、トラックに積み込む作業を繰り返します。3トントラック2杯分を満載し、さらに翌日にもう1杯分を運ぶほどの量。それでも片付いたのは全体の約30%(目算)ほどでした。
汗をかき、水分を補給しながら、ひたすらに手を動かす。大変ではありましたが、不思議と大変さより「少しずつ未来が形を帯びていく」感覚の方が強かったです。
伊勢志摩×社会課題×最新技術


作業をしながら思い描いたのは、うみらぼが目指す未来の構想です。
「海をテーマにしたスタートアップが集まり、自動運転船、海中ドローン、養殖技術DXなどの実証実験を進めていきたい」
都市部ではなく、伊勢志摩だからこそ挑戦できるテーマがあります。海洋ごみや養殖の効率化、観光との共生…。課題と最新技術が出会えば、海辺の町から未来の解決策が生まれるかもしれません。
普段、最新技術との出会いはYouTubeや記事を通じてばかりの私にとって、「この伊勢志摩の片隅でそんな挑戦が進んでいる」という事実は、胸を熱くするものでした。
共通の想いを持つ参加者たち


今回の片付けは、ただの力仕事ではありません。同じ想いを持った人たちと並んで作業することで、「伊勢志摩の未来を一緒につくる体験」になっていました。
初めて会う人たちとも自然と会話が弾み、笑いながら汗を流す時間は、とても前向きで温かいものでした。真面目な方が多くてフルコミットで作業してていましたが、誰でも気軽にちょっと手伝いに来るくらいの気持ちでも受け入れてくれる素敵なコミュニティが「うみらぼ」にはあります。
うみらぼの歩みが伊勢志摩の未来を彩る


「うみらぼ」の片付け作業は、地域の課題を一緒にほどき、新しい価値を編み出すプロセスそのものです。
「うみらぼ」のような挑戦と仕組みが、各地域で進むことが未来を切り開く鍵のひとつのように思います。
もし少しでも「面白そう、気になる」と感じた方がいたら、ぜひ一度「うみらぼ」に足を運んでみてください。定期的に各種イベントも開催されていますので、公式SNS等で情報をチェック。ほんの少し片付けを手伝うだけでも、新しい出会いや発見が待っています。