鳥羽駅の未来を、みんなで描く。「U35 私たちがまちを編み出す。実践アイデアコンペ」にご注目

30年後、50年後、自分の住む街の駅から眺める風景はどう変わっているのでしょうか。

今回は、鳥羽市役所で開催された「U35 私たちがまちを編み出す。実践アイデアコンペ」の中間プログラム「鳥羽駅アイデア構想会議」に参加してきました。テーマは「自分たちごとに育む移動の拠点 鳥羽駅」。全国から集まった若者たちが、まちの未来に向けたアイデアを持ち寄り、熱い議論が交わされました。鳥羽駅という「まちの顔」をどう生かしていくか、そのアイデアをブラッシュアップする過程にちょっと関われた記録です。

目次

鳥羽駅のアイデアコンペのここがすごい!

1次審査の採点項目

全国・海外から計78案の応募があった中、一次審査を通過したのは6案!提案内容は、建築や空間デザインをはじめ、地域資源の活用、モビリティ、観光、防災といった多岐にわたる分野に及びます。最終審査会は、7月5日(土)に鳥羽市民体育館サブアリーナにて一般公開で開催されます。

多彩でユニークな提案がずらり 参加者も「未来の鳥羽駅」の姿を思い描く場に

鳥羽駅のかもめテラスから見える景色

鳥羽駅をもっと心が踊る場所に。グループワークの際には「改札を出たらどんよりと暗い」というリアルな声もありました。最終コンペに選出された6つのアイデアには、「駅を降りた瞬間に海が広がる」そんなワクワクする駅を目指した提案も多く見られました。

6つのファイナリストそれぞれの視点で、「鳥羽駅の未来像」を描いた内容はとても濃厚でした。ポスターセッションにて各アイデアを説明いただいた内容を振り返りながら、代表的なキーワード・アイデアをいくつかご紹介します。

海へ還る、水と共に生きる、佐田浜

水の循環や海面上昇といった環境変化も見据えた提案。佐田浜を拠点に、海と人との共生をテーマにしたアイデアが展開されていました。

15000トンの牡蠣殻をアップサイクル

年間大量に廃棄される牡蠣殻を建材やタイルとして再利用するプラン。環境への配慮と鳥羽らしさの両立が魅力的でした。

風まち 稜線がつなぐ鳥羽の原風景

鳥羽と山と海とのつながりを体現するシンボルとなる建造物が印象的なプラン。建物は風の音を感じる構造となっていて、色鮮やかな世界に惹き込まれていく、そんな内容でした。

島と風景をつなぐ「島ブリッジ」

鳥羽駅から周辺の施設、鳥羽マリンターミナルまでをつなぐ「しま・ブリッジ」で、鳥羽の風景を全身で感じられる空間を形にしたアイデア。「しま・ブリッジ」を回遊しながら自分のお気に入りの鳥羽の風景にきっと出会える、そんな提案でした。

鳥羽の風景をつくる生業を映した島の小屋小屋

答志島のわかめ加工を駅前に持ち込むアイデア。生産と観光を融合し、「見せる・買える・味わえる」生業(なりわい)空間を魅せる工夫が光っていました。

モビリティの再構築で未来へつなぐ

移動弱者にも優しいまちを目指して、自動運転・水上交通・歩行空間の整備などを提案。視点の豊かさに驚かされました。

鳥羽駅の再構築は「プロセスそのもの」が大切

伊勢神宮 内宮 宇治橋前

ポスターセッションでの各提案では、完成イメージだけでなく、「プロセス」を大切にした視点が多くありました。

  • 住民参加型で進める提案
  • 駅を起点にしたまちづくりの起爆剤
  • 式年遷宮を見据えた長期的ビジョン
  • 小さな変化を重ねて大きな未来につなげる発想

審査員の総評では、提案は大きく「建築的に優れたもの」と「システム的に優れたもの」の二つに分けられ、それぞれの視点を補い合うことで、さらに内容がブラッシュアップされる可能性があると述べられていました。

鳥羽駅周辺が抱えるリアルな課題にも注目

定期船から眺める鳥羽マリンターミナル周辺

ポスターセッション前に行われたグループワークでは、参加者から、駅と周辺施設の導線や利便性に関する意見も挙がっていました。

  • 駅前に海があるのに、景観が活かされていない
  • 観光客と地元住民の空間利用が混在しすぎている
  • 駅周辺に占める駐車場の割合は適切か
  • 駐車場の場所がわかりづらい
  • 駅の印象が暗く、賑わいが感じられない
  • 外国人には駅構内の案内がわかりにくい
  • 近鉄とJRの接続が悪い

これらの課題に対し、「どこを観光に、どこを地域の生活に活かすか」という機能配置の再設計を目指す意見も多数ありました。

7月5日は公開最終審査会!ぜひ現地で目撃を!

2025年7月5日(土)、鳥羽市民体育館サブアリーナにて公開最終審査会が開催されます。

【タイムスケジュール】

13:00 開場
13:30 開会 企画趣旨説明
13:45 提案発表(全6案)
15:45 公開審査会
17:00 閉会

果たして、どのアイデアが最優秀賞と優秀賞に選ばれるのか。6つのアイデアに触れさせていただいた上で、どのアイデアが選ばれるのか、僕は全く検討もつきません。無料で誰でも参加可能ですので、鳥羽の未来に関心がある方、鳥羽駅を舞台に提案される未来のアイデアに関心のある方は、ぜひ足を運んでください。


「私たちがまちを編み出す。実践アイデアコンペ」は高校生の部もあります。コンペの募集は締め切られていて、今後のスケジュールは8月4〜6日 高校生を対象した駅構想集中合宿、8月7日〜31日 成果物の展示となっています。

編集後記 誰かの「また来たい」を育てる駅であるために

駅のリニューアルや都市開発は、どこか自分には関係のない遠い話に思えるかもしれません。でも、「駅を降りた瞬間の印象」や「また来たいと思える場所づくり」は、僕たち一人ひとりにとって、とても身近なテーマです。

審査員のお一人 ソトコト編集長の指出さんがお話されていた「にぎわいのある空間だけでなく、誰か一人がふらりと訪れたときにも、また来たいと思えるような、心が救われる場所であること」。この視点がとても大切だと感じました。

鳥羽駅を舞台に、地域をより良くしたいという若い視点や地域愛が詰まったこのプロジェクト。一人でも多くの方に知ってもらい、未来を一緒に描いていただけたら、僕も嬉しいです。

本記事は、取材や体験に基づいた一次情報をもとに、AIツールを活用して構成案を作成し、筆者が内容を編集・レイアウト調整しています。最終的には人の目で確認のうえで公開しています。

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