雨が振らない…渇水した銚子川で見た景色に心を痛めたというお話

2024年夏は驚くほど雨が降りません。日常を過ごしていても猛暑日が続き、三重県内各地で全国でもトップ10にランクインするほどの最高気温を更新しています。

毎夏、奇跡の清流 銚子川に隣接するキャンプ場 キャンプinn海山に御縁があって、繁忙期のピンチヒッターで手伝いに行っています。その際、自由時間の楽しみが涼みついでに銚子川の生き物たちの様子を見に行くこと。銚子川は透明度の高さに加えて、多種多様な生き物たちを観察できる稀有な場所です。しかし、今夏は雨が全く降らず、川は渇水していました。

※.気象庁の紀北町(紀伊長島)にて降水量過去データにて2024年8月データを参照すると、降水量の合計が8/6 2.5mm・8/15 6.0mmのみでそれ以外は0です。数字を見ても明らかな雨不足です。

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明らかに水がない..初めて見る銚子川

それでも大台ケ原を水源とする川は流れを保っていましたが、昨年とは比べるまでもなく水がありません。話しによると、銚子川がここまで渇水するのは10年以上ぶりとのことでした。僕自身はキャンプinn海山との御縁ができてから銚子川に定期的に訪れていますが、渇水した銚子川を見るのは初めてでした。

キャンプinn海山前の銚子川は例年より明らかに浅瀬になっています。多種多様な生き物たちの様子は変わりませんが水量がない分、総数は減っているように感じました。また、今夏の銚子川の水温は高かったです。ずっと川遊びができてしまうほど人にとって丁度いい水温でした。

干上がった堰堤で死に絶える生き物の命

今回、最も心が痛くなった光景が干上がった堰堤の水辺に取り残された生き物たちの光景です。堰堤の水辺に足をつけてみると、38〜40度はありそうなお湯になっていました。そして、息絶えた魚たちと辛うじて生き残っている魚たちの姿がありました。

たまたま、タモの先が落ちていたので数匹をすくって水量のあるたまり場に逃がしました。すくえた魚は動きが遅く、弱っていました。すくえなかった魚はすばしっこく、生命力の高さを感じました。ただ、このまま雨が降らなければ息絶えてしまうのは明らかです。

銚子川の水底に繁殖した藻と小魚の群れ

堰堤上には例年にないほど、藻が大量発生していました。藻に触れてみると、アオサ(ヒトエグサ)のような細い繊維で、それが束になって固まっているような状態でした。水底を踏むと藻と泥砂が舞い上がり、その中に小さな餌があるのか小魚が群がってきます。とても幻想的な光景で目を奪われると一方で、複雑な気持ちになります。本来、生き物たちが食べるものを藻が妨げているように感じたからです。藻は浅瀬だけでなく、深い淵の水底にも広がっていました。

雨が降り、水量のある銚子川に戻ってほしい

銚子川は訪れる度に新たな発見があります。今夏も初めて見る銚子川の景色に触れて、そういった意味では新たな発見を与えてくれました。しかし、今夏のような銚子川の景色は1度で良いかなと感じています。自然の摂理とはいえ、生き物たちが苦しそうな様子を見るのはあまり快いものではありません。とにかく、雨が降って水量が戻ることを切に願っています。

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