鳥羽商工会議所で開催された旅するようにお手伝いをするサービス「おてつたび」のセミナーを聞く機会がありました。カンブリア宮殿に取り上げられ注目を集める「おてつたび」は、個人的にとても注目しています。身近な取引事業者さんで活用していたり、自分自身も「おてつたび」に行ってみたいと心焦がれたり。今回の話を聞けたことで、さらに身近な存在として感じられるようになりました。
三重県内にも広がっている「おてつたび」サービス


セミナーでは、三重県鳥羽市の旅館「扇芳閣(せんぽうかく)」の谷口社長の事例が紹介されました。おてつたびの受け入れ人数は何と200人を超え、キャンピングカーで日本を巡っていた夫婦が、最終的に鳥羽に移住して扇芳閣さんで社員として働くようになったという話も!
谷口社長は「100人受け入れると、1人くらいは住んでみたいと思ってくれる」と語ります。数字だけ見ると小さな確率に見えますが、扇芳閣さんのようなおてつたび利用事業者が地域に増えて母数が増えれば、実は地域を変える一歩なのかもしれないなと思いました。


専門スキルを持つ人と、人手不足に悩む現場をつなぐ


南三重の漁業者さんたちは、お歳暮やお中元のシーズンに人手が足りず、注文を断らざるを得ないと伺っていたことから、セミナーで「魚をさばける人が見つからない」という話を元に質問で投げかけさせていただきました。
質問の答えとしては、おてつたびを使えば、「魚をさばける人」を全国から募集でき、実現可能性は高いとのこと。
「専門スキルを持った人」と「スキルを求めている場所」が出会える。おてつたびを利用すれば、地域の課題を解消できるかもしれません。
「お金」よりも、「時間」の質を高める


おてつたびの良さは、単に安価で人材を確保できるということだけではありません。来てくれる人たちは、事前にしっかりとマニュアルを読んできたり、地域に興味を持って調べてきていたり、興味を持っておてつたび先を訪れています。つまり「ただのアルバイト」ではなく、「関係人口のタネを宿したヒト」が来てくれるんです。
おてつたびを利用する人は『おてつびと』と呼ばれています。受け入れる事業者さんは「おてつびと」達に「良い旅の時間」を過ごしてもらうにはどうしたらいいか?という視点を持つことも大切です。扇芳閣さんが実践されているような受け入れ側の創意工夫も、すごく大切なんです。


まずは一歩から。おてつたびを試してみてほしい


「でも、うちは小さい店だし…」
そんな声もあるかもしれません。でも、おてつたびでは、ホームステイや移住体験住宅などを「寝床」にすることもできますし、補助金制度を活用できる自治体もあります。何より初回はしっかりサポートをおてつたびさんから受けられそうです。
夏の1ヶ月だけでも、お歳暮・お中元シーズンだけでも、クリスマスシーズンだけでも『猫の手も借りたい』という場面は多いはずです。
そんな悩みを、おてつたびで全国から一度募集してみるのはいかがでしょうか?
旅する人も、迎える人も、やさしくなれる未来へ


セミナーを終えて、なんだか少し心が温かい気持ちになっていました。おてつたびセミナーを通して、人手不足の解消や経済の循環など、「目的」はもちろん大事ですが、それ以上に「誰かと出会う」「知らない場所にふれる」という体験の魅力を改めて感じました。
これを読んでくださった事業者さんや未来の「おてつびと」さんには、気になる場所を調べてみたり、「こんなこと、お願いできるかな」と誰かに声をかけてみるような、そんな一歩を踏み出してもらえたら嬉しいです。まずは「おてつたびWebサイト」を覗いてみてください。


コメント