先日、クラウドファンディングを通じて応援していた尾鷲の「甘夏(あまなつ)」が届きました。
支援のきっかけは、甘夏天満ファームを営む日下さんの挑戦に惹かれたから。日下さんは、地域おこし協力隊として尾鷲市に移住し、家族で天満浦地区に暮らしながら、甘夏農家として新たなスタートを切った方です。「甘夏を未来に残したい」。そんな想いを胸に、甘夏を育みながら古木から新しい苗の植え替えなど、地道で力強い活動に取り組まれています。
尾鷲といえば「甘夏」が当たり前になる未来へ


尾鷲といえば、どちらかというと魚や林業のイメージが強い地域。でも実は、山あいに広がる天満浦地区は甘夏の産地として知られています。
急斜面にずらりと並ぶ甘夏の木々。その多くは長年育った古木で、今はちょうど世代交代の時期にあたるそうです。尾鷲市のバックアップもあって、農家さん達による新しい取り組みが少しずつ広がってきています。
尾鷲にとって「甘夏」は唯一無二の柑橘なんです


尾鷲市の天満浦地区で栽培されている甘夏(あまなつ)は、実はかなり特別な存在です。日本各地に柑橘の名産地はありますが、尾鷲は甘夏だけに特化した非常に珍しい産地。愛媛や熊本などが多品種栽培をしているのに対し、尾鷲では甘夏一筋。まさに「尾鷲といえば甘夏」というわかりやすさがあります。
栽培されている天満浦地区は、山の急斜面に畑が広がり、そこから見下ろせば熊野灘の海が一望できる絶景スポット。ふだん市街地からは見えにくいですが、まさに知る人ぞ知る場所です。僕も尾鷲甘夏収穫ワーケーション(※.記事後半で紹介)で訪れた際、甘夏畑の清々しい光景に感動しました。


そして尾鷲は「日本一の降雨量」を誇る地域でもあります。豊かな雨、温暖な気候、そして潮風が、味わい深くさっぱりした甘夏が育まれます。
尾鷲の甘夏を未来へつなぐ「甘夏天満ファームのクラウドファンディングの挑戦」


今回、自宅に届いた甘夏は尾鷲市の天満浦地区で甘夏を育てる「天満ファーム」さんが、2025年春に挑戦していたクラウドファンディングのリターン品です。クラファンは結果、目標金額100万円を見事に達成。支援者の一人として、とても嬉しいニュースでした。
クラファンの目的は「未来に甘夏をつなぐ」ことで、集まった資金は選果機(せんかき)の導入に使われました。これにより、甘夏のサイズや品質を安定的に選別できるようになり、作業の効率化と品質の向上が同時に実現されたとのことです。


クラファンを実施された日下(くさか)さんは尾鷲市の元地域おこし協力隊として活動され、大阪から尾鷲に家族で移住されています。現在、新規就農者として「天満ファーム」を立ち上げ、尾鷲の甘夏の未来を担っていく存在です。
クラファンページからも、日下さんの強い想いがひしひしと伝わってきました。地域の方々も力を合わせて支える姿に、「尾鷲の甘夏は、これからもっと広がっていく」そんな希望が感じられるクラファンでした。
甘夏収穫ワーケーションで感じた、尾鷲の甘夏の美味しさと農家さんの想い
以前、尾鷲で開催された「甘夏ワーケーション」に参加したとき、相賀農園さんで1日だけお手伝いをさせていただきました。目の前には山の緑と海の青。そんな自然に囲まれながら育つ天夏は、どこか特別な存在感を放っていました。作業の大変さに触れながら、農家さんの想いをお聞きして「甘夏は地域の誇りなんだな」と感じたのを覚えています。
甘夏のサッパリした美味しさ。そして、意外と食べやすい。


正直言うと、尾鷲の甘夏を知る以前は、あまり親しみのある柑橘ではありませんでした。皮が厚くて種も多く、ちょっと苦そう..そんなイメージがありました。でも、味わいはただの先入観、そしてひと手間かけるだけで一気に食べやすくなることを知りました!
甘夏のおすすめの食べ方


- 包丁でまとめて輪切り(3〜5等分くらい)
- 皮と中の白い部分を取り除く
- 種を取って、果肉だけをタッパーに保存!


あとは朝食にヨーグルトと一緒に食べたり、小皿に盛っておやつにしたり。まるで果物の常備菜のように楽しめます。
味わいはというと…絶妙な酸味・甘みでシャキッと爽やかジューシー


甘夏の果肉は、シャキッとした食感とほどよい酸味、そしてやさしい甘みが魅力。冷やして食べると、さらに美味しさが際立ちます。シャリシャリとした食感も心地よく、気分までスッキリします。甘ったるさではなく、「爽やかさ」「軽やかさ」に癒される味わい。春〜初夏の気分転換に、まさにぴったりなフルーツです。
尾鷲の甘夏をぜひ食べてみてください


今回、甘夏農家さんとの出会い、そしてクラファンを通して、「甘夏を守りたい」という人の想いに心が動かされました。
大切に育てられた果実を、自分の手でむいて、味わう。その行為が、尾鷲という町の未来にそっとつながっている。そんなふうに感じられたことが、今回の一番の収穫です。もし、スーパーなどで尾鷲の甘夏を見かけたら、ぜひ一度手に取ってみてください。そして、甘夏の美味しさに触れた時、きっとあなたも尾鷲の甘夏を応援したくなっていることでしょう。