首都圏営業拠点「三重テラス」。2013年9月28日に東京日本橋でオープンして、現時点(2024年7月22日)で約12年が経とうとしています。
筆者は三重テラスの立ち上げ・オープンから約4年半ほど、運営会社にいました。当ブログ記事では当時を振り返りながら、三重県の事業者さん向けに、何か参考になる情報を伝えていきます。
今回は三重テラスで購入されにくかった商品の特徴3つを紹介します。
2013年〜2018年頃までの体験談を元に記事を書いています。最新の三重テラス事情とは異なることもあるかと思いますので、その点はあらかじめご了承ください。
三重テラスで購入されにくい商品特徴 共通点は「持ち運びにくさ」
購入されにくい商品特徴を紹介する前に、先に一つポイントをお伝えします。
大切なのはお客様がご自宅等に商品を持って帰れるかという点です。三重テラスの東京日本橋にあり、お客様は基本的に公共交通を使ってご来店されます。この点を抑えておきましょう。
購入されにくい商品の特徴1「商品がでかい」
商品が大きくなればなるほど、持ち運びがし辛くなります。
例外としては、大きくても軽くて魅力的な商品。三重県の特産品であれば、アオサノリなどが一例です。当時の三重テラスでは、業務用の100gアオサノリをまとめ買いするお客様の姿がありました。三重県暮らしで馴染みのあるアオサノリをご自宅に持ち帰って食べるのはもちろん、同郷のお友達に配るといったお話を伺ったことがあります。
購入されにくい商品の特徴2「商品が重い」
続いては、重たい商品です。持ち運びが大変になるため、サイズが大きい以上に敬遠されます。
例えば、500ml以上の調味料など。お客様が手にとっても重いな…と感じると棚に戻してしまうというシーンは多々見てきました。
例外としては、日本酒などのブランド力のある嗜好品です。三重テラスであれば、2013年のオープン当初から東京でも知名度が高かった清水清三郎商店さんの作は大変人気でした。さらに2015年の伊勢志摩サミット効果もあって三重県の一部の銘柄の知名度が上昇。重くても持って帰りたい、そんな嗜好品は重さのハードルを越えてきます。
印象的なエピソード「それを誰が持って帰るのか?やめておけ。」
三重テラスの店頭での、とあるご年配の御夫婦の会話がとても印象的でした。
奥さん「この商品、すごくほしい。」
旦那さん「だめだめ、それを誰が持って帰るの?やめておいて。」
その商品は720mlの調味料だったと思います。商品自体に魅力があっても、立地やお客様のアクセス方法、来店時間帯(まだまだ日本橋を散策する予定)などで購買まで至らないという一つの例です。
購入されにくい商品の特徴3「商品が傷みやすい」
最後に3つ目としては、商品が傷みやすいです。
当時の三重テラスでは、商品ラインナップも売れ行きも常温→冷蔵→冷凍の順でした。特に夏は冷凍品の売れ行きはとても低かったと記憶しています。
例外としては、その場で食べられるデザート。北海道のどさんこプラザのようにソフトクリームは人気がありました。ただし、当時の三重テラスにおいては店内で食べるには手狭で、外で食べるにしてもビルが立ち並ぶ日本橋の町中で食べ歩きには少し気が引ける立地です。「今スグ食べたいのだけど、どこかで食べられますか?」と一声かけてくれたならば2階のスペースを案内するなどの対処はできるものの、わざわざ一声をかけていただけるお客様は多くはありません。商品の購入を迷ってらっしゃる方にスタッフがいかに声をかけられるかは、店側のポイントではありました。
お店を利用するお客様像をイメージすることが大切
今回、紹介した内容は数年前の三重テラスでのお話です。正直、ポイントをもっと細かく分けられます。お客様に商品を購入していただくためには多種多様な要因が考えられます。
現在の三重テラスでは、お客様の特徴は大きくは変わらないとは思いますが、店側で課題解決を図っていたり、お客様がリピーターとなって商品を目星をつけて来店するという行動も考えられます。
最終的には、「商品を卸す販売店で自社の商品を手にとるお客様像をいかに具体的にイメージできるか」が大切だと思います。
例えば、
- 伊勢おはらい町沿いのお土産屋
- サービスエリアの売店
- スーパーマーケット
- ショッピングモール
- 百貨店
- 大企業の敷地内での催事販売
など、それぞれのお店では立地はもちろん、利用するお客様属性は異なります。販売店のお客様像を明確にするためには、実際にお店に訪れてみたり、商談時に予め質問事項をまとめて投げかけるなどをオススメします。
孫氏の言葉「彼を知り己を知れば百戦殆からず」を言い換えると、「販売店を知り自社商品を知ればお客様の手元に届く」。何かの参考になれば幸いです。